母親の偉大さ。

  久しぶりに実家の母から電話がかかってきた塾長です。

 子供の頃、うちの親はとても厳しかったんです。

 

 多分。

 

 小学生の頃は

 門限5時。

 中学生でも、塾以外では5時半とか。

 遅れると玄関施錠。外で正座。

 

 あれ?

 よく考えると、他には浮かばないですけど。

 これだけは徹底してました。

 高校生でも夜中に外出とかは許されませんでしたし。

 

 それでも、友達の間では、うちは厳しいと言われてました。

 友達の家に泊まりに行くのは一切だめでしたから。

 行きたければうちに泊まりに来い、というスタンスでした。

 その代わり、夜中に外には出さんという。

 夜中に外をふらふらすることを絶対に許しませんでした。

 

 そして思春期真っ只中の自分。

 「くそばばあ」「くそじじい」「うざい」「キモイ」「死ね」

 

 こんな言葉は一回も発したことはありません。間違いなく。

 

 だって、そんなこと言おうものなら、何されるかわかったもんじゃないですから。

 

 だから、とりあえず口をききませんでした。

 家にいるときは、ごはん、風呂、トイレ以外は全部自分の部屋にいましたね。

 

 そして、大学生になって、一人暮らしをしました。

 地元の大学に行っても、一人暮らしはしろと言われていました。

 

 一人暮らしをすると、とたんにすべてのことが自由になったんです。

 感動です。

 

 しかし、それもすぐに感動はなくなります。

 

 自由の裏にある、やらなければならないことにぶち当たるんです。

 

 炊事、洗濯、掃除。

 

 炊事って、ご飯を考えること、買い物に行くこと、作ること、運ぶこと、片づけること、食器を洗うこと、しまうこと。

 洗濯って、洗濯機に服を入れること、洗濯機を回すこと、干すこと、取り入れること、たたむこと、しまうこと。

 掃除って、 掃除機かけること、紙パック変えること、サイクロンなら洗うこと、 ごみを分別すること、決められた日に出すこと。掃除する場所は、台所、トイレ、風呂、玄関、部屋。

 たった3つのことではないんです。

 山ほどやってもらっていたことがあることに気が付くんです。

 母親の偉大さを実感するんです。

 

 この一人暮らしを経験した人と、してない人って大きな差だと思うんですよね。

 

 特に男。

 ありがたみがわかるというか。

 大変さがわかるというか。

 

 男女平等とは言いますけど、やっぱり結婚したら家事の多くを女の人が担う。

 そんな時に、経験があるかないか。

 

 感謝できるかが大きな差だと思うんです。

 

 

 それがわかってから、実家に帰ったときは、

 免許を持っていない母親が、

 買い物に行きたいと言ったときに、

 車に乗せて連れていくようになりました。

 ほんの少しのことでしかないですけどね。

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