夏休みに入ると、一気に増える学校公開、学校説明会、学校見学会。
言い方は違えど、高校側からすれば、中学生に高校の様子を知ってもらい、ぜひ入学してくださいね、というアピールの場。
中学生からすれば、何も知らないまま受験するのではなく、ある程度知ったうえで受験校を決めるための手がかりの一つ。
中3生であれば学校からも、受験する可能性のあるところは見学に行くように言われるでしょう。
ぜひ見学に行って、自分の受験する高校をしっかりと自分で決められるようにしましょう。
で、その入試なんですが、推薦入試と一般入試の二つに分けられます。
違いってはっきり説明できますか?
私立高校と公立高校では意味が全然違うんです。
では、説明していきますね。
一般入試
まあ、これはさすがに説明不要でしょう。
多くの人が私立も公立も、この一般入試で試験を受けていきます。
ただ、大学入試はこれがだいぶ変わってきているみたいですけどね。
ま、それはおいておきます。
大部分の人が試験を受けるのがこの一般入試です。
仕組みも何も、普通にテストを受ける入試です。
問題はここから。
公立推薦入試
おそらく、多くの人が想像する推薦入試というのは公立高校の推薦入試の仕組みだと思うんです。
簡単に言うと、できる子、お利口な子が学校から推薦されて合格する感じですよね。
もう少し細かく説明しますね。
愛知県の公立高校の推薦入試は、各高校が出す条件にあてはまる子だけが受けることができる特別な試験です。
時期になってくると、各高校のホームページ等に、推薦入試実施要項が公開されます。
各中学校でも掲示されたりして、生徒も見れるようになっているはずです。
その中に、推薦入試を受けるための条件が書いてあります。
それに合致するものがなければそもそも受けることができません。
昨年の一宮西高校のものがホームページに残っていたので例として見ていきます。
これでいくと、「3 推薦基準」のところですね。
㋐人物が優れており、ウンタラカンタラ。
これが条件です。
まず、人物が優れていなければアウトです。
ただ、人物が優れているかどうかと言うのは、当たり前のことを当たり前にやっていれば基本大丈夫です。
毎日の課題を提出する。
掃除をきちんとやる。
授業を真面目に受ける。
あいさつをする。
係りの仕事をきちんとやる。
部活をサボらない。
そういうことです。
別に先生に媚びを売る必要は全くありません。
当たり前のことを当たり前にやっていればいいのです。
ここからが問題。そのうえでです。
ア 部活動において、中学校における実績が次のいずれかに該当する者
(ア) 運動部において、地区大会以上の大会で、正選手として上位入賞した実績をもつ者
つまり、「西尾張大会で3位以内に入ったチームのレギュラー選手」と思えば大丈夫かと。
なかなか限られますよね。
もちろん個人種目でも団体種目でも大丈夫です。
(イ) 文化部あるいは文化・芸術の創作活動において、県大会以上のコンクール等で優秀な成果を収めた者
文化部だと県大会以上で優秀な成果を収めないと駄目です。
(ウ) 部長としてリーダーシップを発揮した者
これが一番いけそうか?でも名前だけの部長ではだめだということですね。
以上の(ア)、(イ)、(ウ)のどれかに該当していることが必要です。
イ 生徒会の役員、クラスの正副室長(級長)等を複数期務め、リーダー性を発揮した者
先ほどのアにあてはまるものがなければ、こちらでも大丈夫です。
ですが、これも限られますよね。
複数期ってとこがまた。
他にももう少しありますが、ここまでがほとんどです。
これだけの条件を満たしてなければ、推薦入試は受けられませんよって話なんです。
他にも
㋑ 恵まれない環境に該当するとしてもらえる推薦
㋒ 成績優秀者がしてもらえる推薦
の二つがあります。
㋑ についてはあまり一般的ではないですし、㋒についてはやっていない学校もあるので今回は割愛します。
これだけの条件があり、さらにはその学校に入学できるだけの評定がないと推薦してもらえないんです。受けさせてももらえません。
つまり、公立高校の推薦入試は、一般で受けても普通に合格する力は持っている勉強以外のことも頑張っている子を、一般入試より先に合格させてあげよう、という感じの制度だったんです。
ただ、これにも問題はあったんです。
推薦入試はいわゆる面接のみです。
いくら頭でわかっていても、面接の練習でいっぱいいっぱいになってしまって、普通の勉強がおろそかになるんですね。
そして推薦入試で不合格をもらってしまう。
挙句の果てに、面接練習に1カ月ほど持っていかれるので、そのあとの一般入試でも不合格になるなんてこともあったんですよね。
それが数年前に変わり、推薦の子も一般入試と同じ日に面接をやるという風に変わりました。
だったらもう一般でよくね?とも考えられそうですけどね。
一応、推薦の子は面接が一般の子とは別で行われるようですので、その面接で合否が決定され、不合格の場合、当日のテストの結果で合否が決定されるということのようです。チャンスは一応2回あるみたいです。
これが愛知県公立高校の推薦入試です。
まとめると、公立推薦入試は、推薦してもらえるのは一般で受けても受かるレベルの子じゃないと難しい。
勉強以外も頑張っている人に2回分チャンスを与える制度。
だけど、試験も面接も一般入試と同じだし、昔ほどうまみはない。
という感じでしょうか。
私立推薦入試
では私立推薦入試です。
スポーツ推薦などについては、ここでは触れません。
一般的な推薦入試についてです。
私立は名城大学付属高校の募集要項を例にします。
要項の2ページになります。
出願条件に、成績・人物・特技等で推薦された者となっています。
公立と比べると、ざっくりしてますね。理由は後程。
私立の推薦入試は、簡単に言うと公立とは全く逆。
一般で受けたら落おちてしまう子を合格させてあげるための入試です。
推薦入試で合格した子は、必ずその学校に通わなければなりません。
公立高校は受験できません。
私立高校としては、一般入試で合格した子は、公立に受かったら公立に行ってしまうわけですよね。
でも推薦で合格した子なら、必ず通ってくれる。
だから、私立の推薦入試は、一般入試では不合格になるような子でも、推薦だったら合格になる可能性が高まるというシステムなんです。
さらに、この生徒数確保という性質もあるため、人物が優れているという部分のハードルが公立よりも低い。
それが、出願条件がざっくりしている理由かなと。
推薦してもらうんだからもっと学校生活頑張りなさいみたいな事も時にはあります。
推薦されるにふさわしい人物になりなさい、みたいな。
まぁ、使いようかなとは思いますけどね。
ただ、限度があるので、私立だったら推薦で受ければどこでも推薦してもらえて、どこでも合格できるっていうわけではないですからね。
ちなみに、推薦入試で私立に決める子が注意しなければいけないこと。
保護者の方も覚えておいてほしい。
もともとその私立が第一希望だったという場合はあてはまりませんが、先ほどの「一般では厳しいけど推薦なら」で私立推薦を選択した場合です。
私立推薦の性質上、このパターンの子は、その時点ですでに一般入試で入る子に遅れを取っている可能性があるんですよね。成績的に。
しかも一般で受けてその私立に通う子たちは、3月まで公立入試に向けて少なからず勉強をしてくるんです。
それで、公立に落ちて、その私立にやってくる。
それなのに私立推薦で合格した。
浮かれて勉強しない。
なんてことをしていると、高校入学と同時にすでに大きな差がついているということも考えられるということ。
周りより早く合格がもらえるんだから、その分、4月までに遅れを取り戻すための勉強をしなければならないんです。
浮かれてるヒマはないんです。
これは忘れないでほしい。
少し話の方向がずれました。まとめます。
私立推薦入試は、一般入試では不合格になってしまうギリギリの子が合格させてもらえるチャンス。
ただ、公立は受けられない。推薦入試で受かったら必ず通う。
私立推薦で入学する子は、合格後も勉強頑張らないと、4月から苦労するかも。
こんなところでしょうか。
公立、私立の入試の仕組みについて説明してみました。
参考になれば。
長くなりました。最後まで読んでいただきありがとうございます。